私の読み合わせと神楽太鼓演奏というスペシャルな冬至祭を終え、揚げ餅と柚大根と粕汁をつまみ食べながら、サロンではしばしの歓談がくりひろげられました。ほっとした時間の帰り際にやってきたのが、マザーハウスに滞在中の助産師さんでした。自宅分娩のお仕事をしている女性でお産前のサポートから出産準備で13日からマザーハウスに滞在、彼女自身も自然栽培のことをよく理解し選んでいる方なので妊婦さんに食材を持って行かれたりしていたようで、わたしのお裾分けした水キムチを持って行ったら妊婦さんが美味しいからつくってみたいとなり、数日前にサンデーに食材の調達にみえていたことを知りました。
助産師さんが冬至ライブの後にサロン「麻紐ありませんか?」と訪ねてきてわたしの持っている精麻では事足りないだろうと話していたところ、神楽太鼓奏者の石坂亥士さんがそそくさと車に行き「お守りにしていたものだけどよかったら使って」とちょうどよい太さに撚られた麻紐を持ってきました。麻紐、どうやら生まれた赤ちゃんの臍の緒を結ぶのにつかうものなのだそうです。
マザーハウスといえば、27日の有志によるお掃除を終えたらいよいよわたしも管理人を卒業することになり、それまでに赤ちゃんが産まれなければ助産師さんも何処ホテルを探さないとねと話しているくらい赤ちゃんが産まれてくる様子がみられないという感じでした。今の出産は一般的に病院や出産に従事する人たちの都合により全てが整えられているから、それも仕方ないことですが・・・曜日や時間別出産率を調べてみるとそれがよくわかる。帝王切開とまでは言わなくても、こちら側の都合で赤ちゃんを産まれくるようにしている。というのと真逆なのスタンスの自宅分娩に携わりながら、助産師さん曰く「マザーハウスから出ないとならない27日までに産まれてきてほしいなーというわたしの思いも取り消したんです。そういうのよくないなって」
そしたら、ですね・・・
冬至の日、亥士さんにほどよい太さの麻紐を持ち帰った日の夜中12時に連絡があり駆けつけてすぐ、午前3時に赤ちゃんが産まれました。産まれてすぐに肺を広げるためにオギャーと一声あげてすぐ、おだやかに泣くこともなかったそうです。「地球に生まれてきても、きっと怖くなかったんだろうね」って。臍の緒を麻紐で結ぶこともでき、お母さんもとても喜ばれたそうです。
素敵な出産だなあ〜
思いもものも、全ての準備が整ったところに赤ちゃんは自然にやってきた。「冬至マジックだったね!」と心にぽっと火が灯るようなあたたかなお話。マザーハウス27日を最後に終わります。最後の最後にいい役割を担ってくれた場所、関わってくださったみなさま本当にありがとうございました。そうそう、妊婦さんが出産前にたくさん仕込んだ水キムチはおいし〜く発酵したそうです。白菜大根がたくさん入荷しているのでわたしもたくさん仕込もうと思います!